労働保険料の計算は「五捨六入(五捨五超入)」を使って厳密に計算しよう(Excel編)

こんにちは、ヱビス(@evisu0414)です。

五捨六入(ごしゃろくにゅう)」という計算方法をご存知ですか?

「四捨五入」というのは、ご存知だと思いますが、その親戚(?)みたいな計算方法です。

使われる機会というのが、「調剤報酬」「保険料徴収額」「氷点下の気温」「麻雀」の計算に出てくるそうです。

そんな、なかなか普段利用することの少ない「五捨六入」をExcel関数で実現する方法をご紹介します。

労働保険料の法令遵守な計算を「五捨六入」で行う

実際に、2017年度の労働保険料をもとに計算をしていきます。

労働保険料の負担割合

労働保険料の「被保険者負担(従業員が支払わないといけない額)」分を求める式があります。

■被保険者負担額の算出方法
「前月分の賃金総額」 ✕ 「雇用保険率」 = 「被保険者負担額」

この雇用保険率というのが下記のとおりです。

事業の種類 保険率 事業主負担率 被保険者負担率
一般の事業 9/1000(0.009) 6/1000(0.006) 3/1000(0.003)
農林水産・清酒製造の事業 11/1000(0.011) 7/1000(0.007) 4/1000(0.004)
建築の事業 12/1000(0.012) 8/1000(0.008) 4/1000(0.004)

※2017年4月時点

雇用保険率表の「一般の事業」の「被保険者負担率」を利用します。

エクセルによる計算方法

被保険者負担額は、計算上どうしても小数点以下の数字(端数)が発生します。

その端数をどのように処理するかによって、結果が微妙に変わってきます。

実際にExcel関数を使用して、労働保険料をいくつかの計算方法と合わせてご紹介します。

四捨五入を利用する

何も聞かされていなければ使ってしまう、四捨五入方法です。

小数点第1位を四捨五入します。

Excel関数で使用するのは「ROUND関数」です。

「Aさん」の「労働保険料」は「=ROUND(C2, 0)」で求めることができます。

五捨六入を利用する

「五捨六入」の具体的な計算方法をご紹介します。

「五捨六入」は、字のごとく「5」は捨て「6」の場合は切り上げるという計算です。

「労働保険料」においては、「50銭以下は切り捨て」「51銭以上は切り上げ」として計算されます。

Excel関数で使用するのは「ROUND関数」です。

ポイントは「Bさん」の「労働保険料(丸め後)」です。

「Bさん」の「労働保険料」は「=ROUND(C3-0.1, 0)」で求めることができます。

事前に「-0.1」をしてから「ROUND関数」で四捨五入を行います。

「Aさん」の場合であれば「1588.947 – 0.1 = 1588.847」となり、四捨五入すると「1589」になります。

「Cさん」の場合であれば「954.498 – 0.1 = 954.398」となり、四捨五入すると「954」になります。

問題の「Bさん」というと「100.503 – 0.1 = 100.403」となり、四捨五入すると「100」になります。

結果として「50銭以下を切り捨て」することができるという仕組みです。

実はこの計算方法は、厚生労働省が提示している厳密な意味での「労働保険料」を算出することはできません。

五捨五超入を利用する

厚生労働省が推奨する端数処理は下記のような内容です。

50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。

※参考サイト「労働保険料の申告・納付(厚生労働省)

この計算方法を「五捨五超入(ごしゃごちょうにゅう)」と呼びます。

給与計算ソフト(弥生会計やPCA給与DXなど)では、初期設定の計算式として利用される「法令準拠」な計算方法です。
※給与計算ソフトによっては「五捨六入」と書かれていても実際には「五捨五超入」を行っている場合があります。

Excel関数で使用するのは「ROUNDUP関数」です。

「Bさん」の「労働保険料」は「=ROUNDUP(C3-0.5, 0)」で求めることができます。

事前に「-0.5」をしてから「ROUNDUP関数」で切り上げを行います。

「Aさん」の場合であれば「1588.947 – 0.5 = 1588.447」となり、切り上げすると「1589」になります。

「Cさん」の場合であれば「954.498 – 0.5 = 953.998」となり、切り上げすると「954」になります。

問題の「Bさん」というと「100.503 – 0.5 = 100.003」となり、切り上げすると「101」になります。

「Bさん」の端数は「50銭3厘」でしたので「切り上げ」の対象となります。

まとめ

Excelを使った労働保険料の厳密な計算方法も「ROUND関数」や「ROUNDUP関数」を利用することで求めることができます。

厚生労働省のサイトにも書かれていますが、「五捨五超入」で計算をされていないと違法というわけではありません。

会社ごとのやり方(労使間での特約)によって変わってきますので、端数を切り捨てられている場合でも、ビックリしないように注意してください。